2014年1月1日星期三

【舩越園子コラム】石川、松山どちらも初優勝の可能性は十二分 最後は…




2013年10月21日14時19分






石川遼、松山英樹の米ツアー初優勝への期待度は高い(Photo by Stan BadzPGA TOUR)






 米ツアー開幕第2戦のシュライナーズホスピタル・オープンで石川遼が2位になった。今季から正式メンバーとして加わった松山英樹が先週の開幕戦で3位になり、そして今週は石川が2位。2人の日本人選手は素晴らしい好成績でシーズンをキックオフしたわけだが、この2人は今季、果たして、どこまで活躍できるのか?

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 私の予想。どちらも優勝できる可能性は限りなく高い。すでに2週連続でリーダーボードに「MATSUYAMA」と「ISHIKAWA」の名が躍ったように、彼ら2人はどちらも今季、これから何度も優勝争うに絡むと思う。

 そもそも石川と松山が米ツアーで勝てるだけの力があるのかないのか、その有無を今さら問う必要はない。石川は2011年のWGCブリヂストン招待で4位、2012年のプエルトリコ・オープンで2位に入った時点で優勝に手が届く技量を備えていることは実証済み。松山は今年の全米オープン10位、全英オープン6位などメジャー3戦を含むわずか6試合で今季の米ツアー出場権を獲得。そして先週の開幕戦でいきなり3位。松山の技量も米ツアーで勝つために必要なレベルを優に超えていると言えるだろう。

 もちろん、2人とも自らの技術面に満足し切っているわけではなく、それぞれに改良の余地や課題を見い出している。それゆえ2人はさらに技術を磨いていくわけで、練習に対するたゆまぬ意欲は彼らの何よりの原動力だ。

 心技体。問題は「心」と「体」

 心技体の「技」に関しては2人とも十分OKという状態だ。それならば「心」はどうか?「体」はどうか?

 米ツアー本格参戦1年目だった昨季の石川は、前述のように勝つに足る技量を備えていた。それなのに、なぜシード落ちの危機に瀕するほど成績が低迷したのか。その答えが「心」と「体」だった。昨季序盤。初優勝に向かって心は逸った。だが、腰痛は悪化の一途で練習は思うようにできず、練習不足のまま試合に出ても予選落ちが続くばかり。それでも石川は「試合を休むことが怖かった」そうだ。「初優勝目指して、この米ツアーに勇んで来たけど……」と肩を落とした姿が今でも忘れられない。

 だが、夏場を過ぎ、おそらくは下部ツアーのファイナル4戦に挑むことになると認識し始めたころから、石川の心に落ち着きが芽生えた。「自分のレベル、自分の立ち位置がわかった」。そしてファイナルのラスト3戦でトップ10入りできたことで「自信が得られた。苦しい時期があったけど、メンタル的にはリカバリーできている。体の状態もすごくいい」。そう、今の石川は、元々持っていた「技」に「心」と「体」も加わり、3つがほぼ整ったと言える。

 それでは松山の「心」と「体」はどうなのか?開幕戦で3位になりながら、2戦目で疲労による胃炎を悪化させ、スタート前に棄権を決意。そこまで疲労がかさんだ理由は、限られた時間の中で米ツアー出場権を獲得するために奮闘し続けた昨季の連戦。そして、帰国して日本で優勝し、再渡米して不慣れなチーム戦のプレジデンツカップを戦い、悪天候による不規則進行や連日のチーム行事への対応、そしてすぐさま移動し、開幕戦で優勝争い、そして大陸横断に近い長距離移動……過密スケジュールと極度の緊張続き、不慣れなモノゴトへの必死の対応が原因であったことは明らかだ。

 「慣れ」は、もしかしたら心技体を上回るぐらい大きなモノを言うかもしれない。石川も昨季の成績低迷を振り返りながら「慣れなんてって思っていたけど、スポット参戦と腰をすえて米ツアーに居続けることは全然違った」と、しみじみ。この面においては、松山は必然的に石川より1シーズン遅れ。松山の最大の課題はこの不慣れへの対応になりそうで、うまく対応できるかどうか、克服できるかどうか次第で彼の「心」と「体」の状態は変わってくるだろう。

 とはいえ、石川が1シーズン目に「試合を休むのが怖かった」から無理をして出続けたのに対し、松山はわずか2試合目で休む決意をした。そりゃもちろん、棄権せざるを得ないところまで胃炎が悪化していたのだけれど、この棄権の一件に限らず、随所で見せる松山の持ち前の思い切りの良さは、きっと彼がこれからの米ツアーで不慣れなモノゴトに対処していくとき、大いに武器になる。

 2人とも「心技体」は揃いつつある。勝つためのポテンシャルは十分に、いや十二分にある。それならば、どちらも今季に初優勝?そう思えてくるし、思いたくなるのだが、そればっかりは明言できない。

 なぜなら、勝つためには運も必要で、この運というものだけは練習や努力や自力で掴めるものではなく、勝利の女神の気まぐれでやってくるもの。けれど、女神を振り向かせるほどの魅力は石川にも松山にもある。女神が微笑みかけた瞬間を逃さず、持ち前の心技体を三位一体で発揮できるかどうか。

 最後は運だ。

文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

石川遼、世界ランキング112位に急浮上!松山英樹は29位と変わらず




2013年10月22日08時24分
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<男子世界ランキング>

 最新男子世界ランキングが発表され、米国男子ツアー第2戦「シュライナーズ・ホスピタルズ・フォーチルドレン・オープン」で米ツアー自身自己最高タイの2位タイに入った石川遼は、前回の154位から112位へ大幅ランクアップを果たした。体調不良のため同大会を欠場した松山英樹は変わらず29位、優勝のウェブ・シンプソン(米国)は17位に浮上した。

 国内男子メジャー「日本オープン」を制した小林正則は171位、2位の小田孔明は98位となっている。

【男子世界ランキング】
1位:タイガー・ウッズ(12.76pt)
2位:アダム・スコット(9.05pt)
3位:フィル・ミケルソン(8.29pt)
4位:ヘンリク・ステンソン(8.04pt)
5位:ジャスティン・ローズ(7.30pt)
6位:ローリー・マキロイ(7.07pt)
7位:スティーブ・ストリッカー(6.55pt)
8位:マット・クーチャー(6.51pt)
9位:ブラント・スネデカー(6.13pt)
10位:ジェイソン・ダフナー(5.78pt)
17位:ウェブ・シンプソン(4.68pt)

29位:松山英樹(3.68pt)
98位:小田孔明(1.63pt)
112位:石川遼(1.49pt)
113位:藤田寛之(1.48pt)
118位:片山晋呉(1.44pt)
137位:藤本佳則(1.28pt)
171位:小林正則(1.08pt)

松山英樹、マレーシアへ!前週欠場も優勝予想で2番手にピックアップ




2013年10月22日08時51分




<CIMBクラシック 事前情報◇22日◇クアラルンプールG&CC(6,951ヤード・パー72)>

 2013-14年シーズン開幕から2試合を消化した米国男子ツアーは一旦アメリカを離れマレーシアへ。クアラルンプールゴルフ&カントリークラブを舞台に「CIMBクラシック」が24日(木)から開催される。

 前週の「シュライナーズ・ホスピタルズ・フォーチルドレン・オープン」をスタート直前に体調不良で欠場した松山英樹は体調も回復しすでにマレーシアへ移動。欠場を余儀なくされた悔しさを南国で晴らしにかかる。PGAツアーの優勝予想ではフィル・ミケルソン(米国)に続き2番手にピックアップ。アクシデントがあっても松山への高い評価は変わっていない。

 今大会にはミケルソンを筆頭にキーガン・ブラッドリー(米国)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)、アーニー・エルス(南アフリカ)ら名のある選手たちが多数出場。精鋭ぞろいの戦いで21歳が頂点を獲りに行く。なお、石川遼は今大会には出場しない。

松山英樹、復帰戦はB・V・ぺルトらと同組




2013年10月23日18時17分
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<CIMBクラシック 事前情報◇23日◇クアラルンプールG&CC(6,951ヤード・パー72)>

 マレーシアにクアラルンプールゴルフ&カントリークラブを舞台に米国男子ツアー「CIMBクラシック」が24日(木)に開幕を迎える。

 今大会には世界ランク3位のフィル・ミケルソン(米国)をはじめ、同ランク15位のキーガン・ブラッドリー(米国)や19位のセルヒオ・ガルシア(スペイン)が参戦。世界ランク上位につけるビッグネームたちの登場で米国男子ツアーはさらに過酷さを増していく。

 日本からは松山英樹が出場。先週は突然の腹痛により開幕直前で大会を欠場するアクシデントもあったが、順調に回復し今大会には無事出場。ビッグネーム参戦で厚みを増したフィールドの中の復帰戦で米ツアー初優勝を目指す。松山は初日、ボ・バン・ペルト(米国)、ベク・セクヒュン(韓国)と同組で現地時間8時10分にスタートする。